[雑記ブログ:著作権について知りたい]
- AIイラストの著作権について考える
- 何がダメで何が良いか知りたい
- 商用利用はセーフなのか知りたい
- 絵師の権利を守るためにはどうするのがよいか
AIイラストとは
開発段階で大量の画像を学習した、画像生成ツールで制作されたイラストのことを指します。
誰でも簡単に美麗なイラストが作れてしまうツールなのですが、著作権侵害問題などで話題になることが多いです。
ここではAIイラストの著作権について詳しく掘り下げていこうと思います。

合法?それとも違法?
さっそくですが、こちらをご覧ください。
生成された画像等に既存の画像等(著作物)との類似性
引用元:AIと著作権の関係等について (文化庁著作権課)
(創作的表現が同一又は類似であること)や依拠性(既存の著作
物をもとに創作したこと)が認められれば、著作権者は著作権侵
害として損害賠償請求・差止請求が可能であるほか、刑事
罰の対象ともなる
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/bunkakai/68/pdf/93906201_09.pdf
わかりづらぁ…。
要するに類似性と依拠性が認められて、
ネットにあげられたイラスト(アップロード含む)、または商品販売されたイラストに対して
著作権侵害された権利者が申告(告訴)することで違法になります。むずかしー。
そもそも類似性と依拠性ってよくわかんないですよね。まずはその部分について説明します。
類似性と依拠性について
- 類似性は「作品が似ているかどうか」 ――― 客観的視点
- 依拠性は「絵柄や思想を真似したかどうか」――― 主観的視点
簡単に言うとこんな感じです。難しく言ってますが真似されたかどうかです。
AIイラストの何が違法になり得るのか
結論から言いますと、今までのイラスト業界の常識と何も変わらないと言えます。
まずは下の引用をご覧ください。
■AIを利用して画像等を生成した場合でも、著作権侵害と
引用元:令和5年度AIと著作権セミナー (文化庁著作権課)
なるか否かは、人がAIを利用せず絵を描いた場合などの、
通常の場合と同様に判断されます。
⇒「類似性」及び「依拠性」による判断
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/pdf/93903601_01.pdf
なるほどー……。著作権侵害としたいなら真似されたことを証明しよう、ってことですね! わかりにくい!
罪に問われるかどうかは手書きの場合と何も変わらないようです。
AIイラストに潜む著作権侵害の可能性
では完成品をネットにアップロードするという前提で、
イラストを生成すると何が違法になるのか見てみましょう。
既存のイラストを大量に取り込んで絵柄を学ばせる。
多すぎて著作権の所在が曖昧になっている。
文章、もしくは画像で指示を出して絵柄を決める。
特に画像で指示を出す i2i (image to image)が問題になっている。
絵柄を既存のイラストに寄せることも可能。
絵柄を寄せるLoRaという技術がある。これは学習に該当しない。
黄色の線の部分が著作権に関わってくる部分です。これが違法になるかどうかは下記の通りです。
- 学習させる→今のところ白。文化庁の見解で、合法となっている。
- i2iを使う→ほぼ黒。出てくる画像が元絵と似るので、類似性と依拠性が認められる可能性が高い。
- LoRaを使う→グレーゾーン。依拠性の証明が難しそう。
- 生成する→手書きで制作したイラストと同じと考えていいです。自分用は合法!
i2iやLoRaはAIイラストツールの機能みたいなものです。
ちょっとややこしいですが、全部が全部違法というわけではありません。
AIイラストは商用利用できる?
これ、結論から言いますが
商用利用可能なサイトもしくはツールで生成したAIイラスト
であれば商用利用はできます。
ただし著作権侵害をしていないことが大前提になります。
できると言えばできるんですが、ダメと言われたらダメになってしまうので同人誌に近いかもしれません。
ただ、まだまだ手書きに及ばないところが多いです。特に独自性という部分で。
絵師ではない人たちが商用利用すると、あっという間に市場が同じような絵で溢れてしまうのではないでしょうか。

法の改定で絵師の権利は守れないのか
では著作権を厳しくしたほうが良いのではないか、という意見もあると思います。
これに関しては、できると思いますが難しいです。その理由のひとつが下の引用です。
⇒「アイディア」は、著作物に該当せず、著作権法では保護されない
引用元:令和5年度AIと著作権セミナー (文化庁著作権課)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/pdf/93903601_01.pdf
アイディアには「画風」も含まれます。
これは作者の権利を守らないという話ではなくて、画風に触発された新たなジャンルの開拓や発展を願っているからこそ保護していないんです。AIイラストの学習はここに該当します。
また、著作権関連を厳しくしすぎると、AIイラストと関係ないところ(二次創作の同人、音楽業界など)にまで問題が波及する可能性が高いです。
つまり、今の法律のまま著作権を厳しくすると今あるコンテンツがダメになったり、模写ですらダメになったりするかもしれないんです。
まだまだ検討段階という意味で「難しい」ということになります。
これから生まれる絵を守るために
批判や非難が多いAIイラストですが、これ本当にすごい技術なんです。
ただ綺麗な絵を出すだけに留まらない、可能性の塊のようなツールです。
無くなってほしいと考えている人は多いと思いますが、私はAIイラストを良い方向に活用して業界がもっと賑わってくれたらと思っています。
そのためにまず必要なのが絵師を守ることです。しかし、現状個人で出来ることは限られています。
AIイラストツールを使用する方はイラストレーターさんへ十分に配慮して、モラルの欠けた使い方をしないよう心がけるのが大事です。
ちょっと難しい話
AIの流れは止められない
世界規模で大きな動きがない限り、AIイラストツールそのものが消えることは無いかと思います。
また、日本だけ積極的に禁止することもありません。今まで秀でていた分野で、遅れをとる可能性が高くなるからです。
噂の域を出ない話ですが、中国では既にゲーム業界などでAIイラストが積極的に採用されていて、今まで努力していたイラストレーターさんたちの仕事を奪うような形になっているとのこと。その反面、ゲームを作成するスピードやクオリティが上がっているのも事実だそうです。
アメリカ・中国など各国の動向に注視していく
アメリカは2023年7月にAI開発企業7社へ(Google、Amazon、MicroSoftなど)に、AI生成物に対し「透かし」を付けるなどの対策へ取り組む事を要請しています。
また、中国では20項目の対策草案が発表されており、草案は今年中に施行される予定です。
比較的足の速い国はすでに対策まで打ち出しており、日本は少し遅れを取っているように感じます。
著作権に対して比較的寛容な日本が、各国の動きを見てどう方針を固めていくか気になりますね。
個人の権益を守るだけでは、まだ足りない
業界全体が萎んでいくと、今度は個人だけの問題ではなくなってきます。個人の活動を守っても、個人が活躍する場所が無くなっていくのです。
ことはイラスト業界だけに限った話ではありません。すでにAIによる作曲など別の業界にまで問題は波及しています。AIによって世の中が便利になる反面、これから同様の問題が起こり続けるでしょう。
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